松平清康

松平清康

 

大永三年(一五二三)。戦国時代の真っ只中である。
三河国――現在の愛知県東部に勢力を有する松平家。
その松平家に、英傑が出現した。

松平清康。

江戸幕府初代将軍、徳川家康の祖父である。
このときわずか十三歳の少年、清康は、三河の大地を眺めながら独りごちた。

「天下が欲しい」

その瞳はクナラ鳥の如しと評されたほど、澄んでいる。
クナラ鳥は拘那羅鳥と書く。眼の美しい鳥だと仏説にはあるが、後世の史料において、そのような鳥に例えられることそれ自体が、もはや栄誉である。
事実、この少年の独言はのちに日本史において重大な輝きをもつことになる。
彼の登場は、無道極まる戦国乱世が泰平の世へと向かいだす、最初の一歩だったのだ。

よく知られた戦国武将、信長、秀吉、家康たちの、前の世代の物語。

インターネット上で公開した作品に、加筆修正を施して編集しなおした全五話。その他に、新規書き下ろしの短編「はじまりの虹 ―松平親氏伝―」を収録。

<収録内容>
第一話 三河の拘那羅鳥
第二話 世良田次郎三郎
第三話 血は水よりも濃し
第四話 慈悲ゆえの憤怒
第五話 守山崩れ
はじまりの虹 ―松平親氏伝―

<作者>
須崎 正太郎

ライトノベル作家。ダッシュエックス文庫(集英社)「隠岐島千景の大いなる野望 高校生たちが銀行を作り、学校を買収するようです。」でデビュー。その他の著作として「あの世ですが裁判員裁判を始めました」「異世界君主生活 ~読書しているだけで国家繁栄~」など。

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